一人で大きな権限と影響力を持つ市長は、多選をせず、得意分野や個性の異なる 多様な人材が市長を務められるようにします。これによりバランスの取れた優れ た都市づくりを目指します。多選による緊張感の低下・マンネリ化・硬直化が起こらないようにします。
この選挙で、「新しい市長をつくる会」が問いかけたテーマの一つが〈首長の多選〉でした。
現市長の4選が確定し、多選による弱点の克服が課題となりました。以下の記事では、多選の弱点を克服していく一つの手がかりが示されています。
以下、本文より引用します。
「・・・ 首長が大きな権力を持つのは事実だが、一方で、本来の制度以上に首長へ権限が集中する傾向もある。議会が本来の役割を果たしていないからだ。
議会は自治体の意思決定機関だ。条例や予算など重要なことは議会が議決する。
市民の様々な立場を反映して、議員同士が徹底して議論して意思決定することが求められる。
しかし、多くの議会では議員同士の 議論がほとんどない。「質問」を通して議員が首長や執行部に「これをやっ てくれ」「あそこを変えてくれ」と要 望し、あとは首長が出した予算案や条 例案の承認をするだけであれば、議会 の力は弱くなり、首長の力が必要以上 に強くなる。
議会で議員同士が議論を積み重ね、議会として意思決定し、その決定で首長や行政を動かす。これを本気で行った議会の力は非常に強い。こうした議会改革なしに、首長の権力の大きさだけ論じるのは片手落ちだ。自治体議会の奮起を最後に求めておきたい。」
出典:福嶋浩彦「自治を行うということ第9回 首長の多選やめるのは自治の知恵 」『時の法令』2016年(平成28年)7月15日号〔第2005号〕
首長の多選について考える参考に。
◼︎「首長の多選問題に関する調査研究会報告書」平成19年5月総務省
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/shuchou/pdf/070530_3.pdf
◼︎ 第21回ディベート甲子園中学の部論題解説
「日本は地方公共団体の首長の多選を禁止すべきである。是か非か」
http://nade.jp/files/uploads/第21回中学校論題解説vol2.pdf